JSプログラミング最初の一歩 JavaScript

コラム:オブジェクトは?

これまで本書では、documentやMathなどのオブジェクトを使ってきました。オブジェクトとは一体何なのでしょうか?

オブジェクトは直訳すると「もの」であり、プログラム上で使う部品のようなもののことをいいます。documentやMathなどはjavaScriptが内蔵しているプログラムの部品だと考えてください。

オブジェクトには2つの機能があります。一つはメソッドです。これはそのオブジェクトが持つ命令や関数のことです。例えば、alert はdocumentオブジェクトのwriteメソッドという意味です。このようにオブジェクト名の後にピリオド(.)をつなげてメソッド名を書きます。Mathオブジェクトのsqrtのような関数も正確に言えば「メソッド」ということになります。ただ、実行したときに何らかの値を得られるものを一般に関数と呼んでいるので、本書では関数と説明しています。

オブジェクトが持つもう一つの機能は、プロパティです。プロパティはオブジェクトが持つデータのことです。たとえば、documentオブジェクトは bgColor というプロパティを持っています。これは背景色を表します。例えば、

document.bgColor = 'red';

というように書くと、背景色が赤になります。オブジェクトが持っているデータを書き換えたり、利用したりすることで、いろいろなことが出来ます。

もちろん、JavaScriptに内蔵されているオブジェクトは document や Math だけではありません。たくさんのオブジェクトがあり、それぞれがメソッドやプロパティを持っているわけです。htmlタグ自体もオブジェクトになっており、それをJavaScriptから書き換えることが出来ます。

JavaScriptを本格的に活用していくには、そのようなオブジェクトの知識が必要になってきますが、それは言語によって利用法が変わってくる知識ですし、オブジェクトの基本的使い方さえ知っていればその都度ネットで調べて利用できます。本書ではプログラム言語の一般的な使い方を習得することに焦点をあてており、オブジェクトの詳細については深い解説はしません。例題を解いていくのに必要なオブジェクトについては随時解説していきます。